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東大寺二月堂修二会( お水取り・お松明) について

2018年02月21日


 

  

     閼伽井屋(あかいや)

 


 

   東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)は、天平勝宝4年(752年大仏開眼供養会の年)、東大寺の初代別當となられた良弁僧正(ろうベんそうじよう)の高弟であった実忠和尚(じっちゅうかしょう)によってはじめられたと伝えられます。以来一度も途絶えることなく続けられ、平成30年(2018年)で1267回目を数えます。


 この「修二会」は、「十一面悔過(じゅういちめんけか) という行(ぎょう)を中心とする法会で、十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぽさつ)を本尊とし、「天下泰平(てんかたいへい) 」 「五穀豊穣(ごこくほうじよう)」「万民快楽(ばんみんけらく)」などを願って、人々に代わって懺悔(さんげ)の行を勤めるものです。


 現在では、2月20日からの前行に引き続いて、3月1日から2週間にわたって本行が行われていますが、もとは旧暦の2月1日から本行が行われていました。このため、二月に修する法会という意味で「修二会」と呼ばれるようになり、また二月堂の名もこのことに由来します。


 修二会期間中の3月12日深夜(13日の午前1時半頃)には、二月堂下手の閼伽井屋(あかいや)という建物の中にある「若狭井(わかさい)」」という井戸から、観音さまにお供えする「お香水(おこうずい) 」を汲みあげる儀式が行われます。これを「お水取り」 と呼んでいますが、井戸は建物の中にあり、見る事は出来ません。しかし、お香水を運ぶために二月堂と若狭井の間を行き来する行列は見学することができます。


 修二会の行は、「六時」といって、一日を六つの時に分けて勤められます。「日中(にっちゅう)」、「日没(にちもつ)」「初夜(しょや)」「半夜(はんや)」「後夜(ごや)」「晨朝(じんじょう)」と呼ばれます。
 この行を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)は、昼間に堂内で「日中」「日没」の行を勧め、一旦、寝泊りしている二月堂の参能宿所という建物へ下って入浴休憩し、日が暮れてから残りの「初夜」 「半夜」「後夜」「辰朝」の行を勤めるために再びニ月堂の本堂上がってゆきます。
 この時に、練行衆の道明かりとして大きな松明(たいまつ)に火がともされますが、この大松明が世間に広く知られるようになり、「修二会」全体のことを含めて、「お松明」と呼ばれることもあるという事です。


 

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